構造耐力上安全な建物を設計するには、基礎の強度が重要です。当社では基礎配筋加工、鉄筋材料の厳選(出荷証明書の確認)、コンクリート数値適正確認など、すべてを自社で行なっております。鉄筋、配筋加工においては、本社社屋内にて作業をしておりますので、いつでも見て頂けます。
スラブ筋は異形鉄筋の13mm材(D13)@250です。上端主筋、下端主筋をD13mmの2段筋としています。
他の工務店の現場を拝見する限りは、上下主筋を2段筋で行っている現場はまず見ません。一部、荷重がかかる場所を2段筋で施工している現場もありますが、内・外周全てを上下主筋2段筋にしている現場はありません。
隅角部の補強等や、鉄筋量も多く、仕事量は2倍かかります。鉄筋の仕様としては、耐震性に優れた強い基礎となっています。
コンクリート圧縮強度試験[テストピース現場水中養生]
圧縮強度試験は、テストピースに6個分の生コンクリートを採取し、28日間水中に漬けておき(材齢28日という)、28日経過後にコンクリート圧縮試験機にかけて、機械的に圧縮した時の強度を平均値で割り出します。
水中養生とは、採取したテストピースを水中に沈めて28日間放置したままにしておく養生方法です。空気中で養生するよりも温度変化が少ないため、精度が高くなります。
コンクリートは、乾燥をして固まるわけではなく、セメントの成分と水とが化学反応する水和反応(すいわはんのう)によって固まります。
コンクリートが完全に固まるまでには長い時間がかかり、硬化初期の場合は環境による温度変化を受けやすく、人間の手によって環境条件を整えてあげなければいけません。それが、現場で行う乾燥防止、凍結防止目的のための散水や養生シートによる湿潤養生です。
現場の構造物は、硬化初期の状態では水和反応に使われていない多量の水が含まれており(余剰水)、最初は水和反応が急速に進行しますが、24時間経過後は水和反応の速度が徐々に衰えてきます。
そして現場構造物は長い時間をかけて水和反応によってコンクリートが硬化されていきますが、テストピースのような小さな供試体の場合、屋外に放置しておくと供試体の内部までが乾燥してしまい、現場構造物と同じ強度が出なくなります。
そのため、テストピースの乾燥を防ぎ、湿潤状態を保つために、水中に放置しておく「現水」という養生方法を用います。
「現水」とは「現場水中養生」のことで、現場の気温で水中に28日間放置する養生方法です。実際に現場の基礎に打ち込んだコンクリートと同じ強度を推定するための養生方法です。
なお、現場水中養生の他に、コンクリートのポテンシャルを計測するために用いられるのが「標準養生」です。「標準養生」は、20°Cの水中に沈めて28日間放置します。
また、「現空」という養生方法もあり、「現場空中養生」のことです。文字通り、現場の空気にさらしたまま、なにもせずに放置する養生方法です。前述した通り、テストピースのよう小さな供試体で現空養生を行うと、乾燥して水分が失われ、水和反応が起こらなくなるのでコンクリートの強度もでにくくなり、精度が低くなります。
JIS(日本工業規格)により、テストピースの形状、寸法、試験体の作成方法が規定されています。
採取の際は、テストピース型枠をハンマーでトントン叩きながら、生コンを型枠内に均等に行き渡らせます。
空気量を計測します。
スランプ、コンクリート温度測定
配合36-18-20N
・スランプ基準 18cm(±2.5cm) ↑16.5cmでクリア
・空気量基準 4.5%(±1.5%) ↑4.0%でクリア
・コンクリート温度基準 5°C以下× 35°C以上× ↑12°Cでクリア
上記の試験を土間コンクリート打設時、立ち上がりコンクリート打設時の計2回行います。
コンクリート打設
現場水中養生 [一週目、四週目に圧縮強度試験を行います。]
立ち上がりコンクリート打設
コンクリートの強度には、「設計基準強度」と「品質基準強度」、そして「呼び強度」が使われます。
設計基準強度とは、構造物を建てる際に基準となるコンクリートの強度のことで、28日経過後の圧縮強度のことを指します。
品質基準強度とは、品質のバラツキ、施工管理などを考慮にいれた強度のことで、設計基準強度と耐久基準強度のうち、大きいほうの値に3N/mm²を加えた値のことです。
呼び強度とは、実際に生コンクリート会社に発注する強度のことで、設計基準強度の値に気温、強度のバラツキを考慮にいれ、温度補正、強度の割増(割増強度)を行ったときの強度のことです。
標準養生の場合、20°Cの水中のなかで28日間テストピースを放置しておきますが、現場の構造物ではそれよりも悪条件の中に置かれているので、テストピースの強度を下回ってしまいます。
その強度差を見込んで、所定の時期に所定の強度になるように強度の割増を行います。そのことを、構造体強度補正値といい、設計基準強度にその補正値をプラスして発注したものが呼び強度になるというわけです。